彼があたしを抱くとき

母の気持ちもわからないわけではなかった。

むしろ、祖母の意地の悪さを思うと、痛いくらいわかったのだが、

どこか冷ややかな母の態度に触れる度に、
あの時の風景が心に映写された。


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