彼があたしを抱くとき

昨年の夏、東京で二週間ばかり予備校に通ったことがあった。

あの時、帰りの電車の中から、しばらくぶりに、垣間見た海の碧さに驚きに近い感動を覚えた。

身体の芯のほうが、ぶるぶると震えたあの感じを、秀太は言っているのだろうか。


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