彼があたしを抱くとき

正門から昇降口までの、
夏ミカンの並木の下をあるきながら、
重苦しい気持ちをかみしめた。

あたしはこのまま、こんなにごり水の中にいていいのだろうか。

そうであるわけがない。


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