彼があたしを抱くとき

あたしたちは人目につかない道を選んで、海岸に出た。

春だというのに、ほとんど人はいない。

湾がおだやかに摺曲し、大房岬によって視界がとぎれ、胸のすくような色の空がひろがる。


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