彼があたしを抱くとき

story3.


story3.



朝の部室は、小さな清らかさに満ちていた。



風の音、すずめのさえずり、窓から黄味色の光がさしこみ、
木の影がゆれるたびに、光もゆれた。

自転車で十五分も走ってくると、
手足は痛いくらいつめたくなる。

ほおが、つやつやとした光沢を持った紅に染まっている。


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