彼があたしを抱くとき

岸谷は深いため息をついて、
「俺、だめだからなぁ」と口の中でいい、カバンを置いて、
長椅子のはしを指さし、「そっちを持ちなよ」と言った。
あたしと岸谷で二つの長椅子をあわせた。


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