PROMISE
STORY.5目撃
翌日、教室に着くと、いつもならとっくに着いているはずの猛がいなかった。
倉田が今日も俺の席に座ってノートに何かを書き込んでいた。
「倉田、猛は?」
「猛?知らない。あんなやつ。」
「…もしかして、何かあった?」
「知らないっつーの!
『明日も早く来てさっさと計画立てちまおうぜ!』とか言ってたくせに、言い出した本人は来てないし!
ほんと自己中なんだから!」
「確かに来ないわけないよな。倉田と二人で作業できるんだから…」
「何か言った?」
倉田の睨みつけるような視線が痛い。
「いや、何も。」
俺はそれ以上触れないことにした。
これ以上関わったら、俺にとばっちりがくる…
「あれ?猛は?」
相園が登校してきた。
「来てないんだ。休みかも。」
「え!?昨日あんなに絶好…」
「席つけーー!!チャイム鳴ってるぞ!」
大塚が教室に入ってきた。
いつも教室に入ってくるタイミング悪いんだよな、この先生。
「先生、猛は今日は…?」
「『心が痛いから休む』とかいう電話がかかってきた。まったく…」
大塚も機嫌が悪い。これ以上関わらないほうがよさげ。
それにしても…『心が痛いから休む』って何なんだろう…?