PROMISE
「倉田は…バスケを『やめた』んじゃなくて、『できない』らしいんだ。」
「えっ…それってどういうことだ?」
「中1の時に、試合中に肩をやっちゃったらしくて…
あいつ、すごい実力だったらしいぜ?だからプロからも注目されてた。
だけど、怪我でもう今までみたいに試合で活躍できないってわかったら、注目していた大人たちはみんな離れていったらしい。
応援や励ましの言葉もかけずにな。」
「…ヒドい」
「そこから、大人をあまり信用できなくなってるんだって。」
「……」
「…でも、そんな倉田を支えてくれた人が2人いるらしい。」
「もしかして…」
「ああ。その一人がお前が目撃した若い男。
あの人は挫折してた倉田に声をかけて、今度は大好きなバスケをプレーする人たちを支えてやったらどうか、とアドバイスしてくれたらしい。
倉田の父さんの後輩の会社員なんだって。新人さん。バスケしてたらしいよ。」
「…なーんだ!もう俺、恋人かと思って焦ったよ!」
「…今の話聞いて、どう思った?」
「やっぱ茜は強いなって。普通立ち直れないぜ?
それよりも、茜から腕の自由がなくなった瞬間から避けていった大人たちが許せないな。見つけたらボコってやる…」
「そういうと思って、俺と相園は黙ってたんだよ。」