PROMISE
「でも、学校も違うしなかなか声をかけられなかった。
入学式の日、教室に入ったら猛がいてビックリしたらしい。
大きな声でバスケの話をしてたからきっとバスケ部に入るんだろうなって思ったらしくて、マネージャーに志望した。
今度は自分の部屋の窓から猛を見守るんじゃなくて、マネージャーとして猛を見守りたいって思った。
まあ、今までずっと話してなかったこともあって話しかけづらかったって言ってたな。」
「…茜。」
「近づきたいって思ったのは、猛だけじゃなかったんだよ。」
猛は立ち上がった。
「俺、茜を追いかけてくる!」
「ああ、行ってこい!」
猛は行ってしまった。
行動が早い男だな。
「…あっ、ゆういた!今日は練習しないの?」
「悪い相園、猛に昨日の話しちゃった…」
「えっ!猛はどうなったの?」
「たった今、倉田のあとを追って帰ったよ。荷物を持たずに。多分帰ってくる。」
「なにそれ!…でも、結果オーライかな?」
「ああ!よっし、猛が帰ってくるまで練習するか!」
「うん!」
大切な人を追いかけていった猛が、俺にはすごく眩しかった。