PROMISE
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教室は、トイレも食堂も近くて便利な配置だった。
教室の扉をガラッと開けると、俺と同じく期待を胸に膨らませた生徒たちが友だちを作ろうと教室内を歩き回っていた。
――あっ、座席表だ。
座席は、横6縦5の30席。
本城の「ほ」は、出席番号11番。
クラスの男子で最後だった。
出席番号11番の座席は…
――げっ!
不運なことに、一番前だった。
しかも教卓の真ん前とか…ついてない。
「なあっ!」
横から声をかけられた。
「お前、教卓の真ん前か?
新学期そうそうツイてないな、俺たち。
俺も6番だから、前に来たんだ…
だが!落ち込んでいるお前に朗報だ!
最前列に座れるのって、5分の1の確率だぜ?
俺たちは選ばれしモノなんだ!
どうだどうだ?そう考えると少しはマシな気持ちにならないか?」
「ぶっ…ははは!なんだよ、選ばれしモノって!!」
こいつ、もしかしたら俺以上にポジティブシンキングかもしれない。
「あ、そうだ。俺、本城 悠斗っていうんだ!よろしくな!」
「俺は、笹川 猛(ささかわ たける)。よろしく!」