PROMISE
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練習も終わりみんなが寝静まったころ、俺は一人だけ眠れずにいた。
いわゆる、自分の枕じゃないと眠れないお子ちゃま。
早く寝ないと、明日の練習についていけなくなるのに…
気分を変えるために、俺は合宿所を離れ、浜辺に来た。
波の音が心地いい。
「眠れないの?」
背後から、聞きなれた声がした。
「わっ!なんだ…相園か。驚かせるなよ!」
「ごめんごめん。
わたし、自分の枕じゃないと眠れないんだ。お子ちゃまだよね!」
「実は…俺も!だから、気分転換にここに来てみたんだ。」
「私もだよー!」
俺たちは浜辺に座り、たわいもない話をした。
時が経つのも早いもので、もう11時だ。
そろそろ寝ないと、本当に明日の練習についていけなくなる。
「相園、そろそろ戻ろうか。」
「あっ…ちょっと待って。」
「…?」
相園は、急に真剣な顔つきになった。
「私さ、例のお願いごと、まだ使ってなかったよね。」
「あ、ああ。」
「…緑川なつめちゃんって、誰なの?」
「…は!?」
「いいじゃん〜恋バナしよう!
その子のこと教えて?
これが私のお願い事っていうことでいいからさ!」
…一瞬、迷った。
でも、相園には熱中症の件で世話になっている。
断るわけにはいかなかった。
こんな話さえしなければ、あんなことにはならなかったのに…