PROMISE
「…みどりは、」
俺の口から紡ぎ出される、みどりのこと。
「俺の家の隣に住んでて。いわゆる幼なじみ。
昔から可愛くて、好きだったんだ。
あ、もちろん可愛かったから好きになったわけじゃないよ?
笑った顔も、負けず嫌いなところも、チビを気にして毎日牛乳を飲んでたところも、リーダーシップがあるところも、好きだった。」
「告白とかしたの?」
「…ううん。向こうが転校しちゃって、そこから音信不通。」
「まだ好きなの?」
「……もう、昔のことだからな。向こうも俺のこと覚えてないかもしれないし。
ただ、気持ちは伝えたい。お前のことが好きだったんだぜーって!
まあ…もう会えない可能性のほうが高いけどな!」
なんだろう、このテンションの高さは。
誰かに初めて聞いてもらって、スッキリしたような感じもする。
「ゆう…」
「あっ、そうだ!写真あるから見せてやるよ!
あいつさ、お前にそっくりなんだ!だから、入学式のときもお前とみどりを間違えちゃったんだ。」
「…そうなんだ。」
俺はスマホを取り出す。
写真フォルダをタップして、みどりとの写真を探す。
「ええっと…あっ!あったあった!
これが、みどり!可愛いだろ?」
「……!」
「…相園?」
相園の顔色が悪くなってゆく。
「あいぞ…」
「ごめん、ゆう。私、合宿所戻るね。なんか気分悪くなっちゃった。
ごめんね引き止めちゃって。」
「じゃあ、俺も戻るよ。歩けるか?」
「…うん。」