階段1つ、上ろうか。
時計を見ると、16:51だった。
暫く、沈黙が続いた。
「イリエは、俺の任期中にワガママなんか言わなかったな…」
突然、先輩がぼやいた。
「ごめんな、イリエ。俺は君の気持ちには応えられない。
ただ、嬉しかったよ。
今までは告白されても困るだけだったけど、イリエのおかげで変われそうだよ。
また、どこかで、会えたらいいな。」
眉を下げて笑う先輩は、夕日に照らされてとても綺麗だった。