ラバーズトライアングラー
A
「弓野ーyuminoーさーん。部長がさっき呼んでましたよー」

いつもどおりのオフィス。
なんら変わらない。

カタカタというパソコンの音
漂うコーヒーの香り
今は、お昼時だからか、空席も多い。

「あー今日、新人さんが来るって話だった…
ゆかちゃん、後30分待ってもらえるか聞いてくれる?」

「わかりましたー。
あ、そのあとお昼行っていいですかー?」

そう、いつもどおり。
何も変わらない。

ゆかちゃんのいつもどおりの濃いめの化粧も、濃いめの香水も。
全てがいつも通り。

こんなつまらない毎日でも裏を返せば平穏な日常なのだ。

「全然いいわよ。むしろごめんね?」

私、弓野シズクは会社の後輩である、佐々木ゆかに向かって顔の前で手を合わせる

ゆかは、私に向かってひらひらと手を振って大丈夫ですよーと告げる

「じゃ、よろしくね」

「はーい」

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