泣いて、笑って強くなれ
「ばあちゃん。どう?体調の方は」
「ああ……。今日はいい天気だねぇ」
ばあちゃんの世話にも大分なれてきた御盆の朝。
ばあちゃんが目を細目ながら窓のそとを見る。
今日はたしか……
「今夜はお祭りだから、晴れてよかったね」
「今日は祭なんだねぇ。……優愛ちゃんは誰かといくのかい?」
「ん?いかないよ。知ってる人いないし…… 」
「陽向くんといってらっしゃいね」
「え……」
陽向?
あ、そうか。
陽向はきっと地元の子達と祭りいくんだろうな。
だって、陽向は私だけのものじゃないわけで。
____ズキっ……
あれなんだろ。
この胸の痛み。
この胸の締め付けられるような感じ。
……風邪でも引いたのかな、私。
____サーっ
扉の開く音に後ろを振り替える私。
そこには
「おお、ばあちゃん今日体調良さそうじゃん」
陽向が笑顔で立っていた。
こうやって陽向は気まぐれにばあちゃんの調子を伺いに来る。
「ちょっと陽向。いくら入りなれた家だからって、お邪魔しますくらいいいなさいよ」