泣いて、笑って強くなれ
上辺だけの世界

優愛side






___周りと同調すれば何もかもがうまくいく。


私が今まで生きてきた中で、学んだことはこれくらい。

勉強ができたって、運動が出来たって、容姿が良くたって、これができなきゃ孤立する。

小学校時代も、中学校時代も、人より少し勉強が得意で、運動もできて、異性が気に入るような容姿を持っていた私はあっという間に孤立した。


だから、高校ではうまくやろうって自分に言い聞かせた。

勉強も運動もそこそこ皆に合わせて、目立たないように周りに合わせていればきっとうまくいく。

だから、私は今結構うまくやれてるって思っている。


「マジありえない。アイツまじ最近調子乗りすぎだし」


女子高校生というものは、”群れ”を作り仲間を作る。

自分に同調してくれる人を集める。

そして、グループを作り出す。


今日の昼休みもそのグループの1人、村山紗英(ムラヤマ サエ)がポロリと不満を漏らす。

それを、周りの私を含むグループのメンバーがうんうんと相槌を打つ。


「マジそれ。ってかあの話し方?ブスの癖に色目使ってんじゃねぇよ」


紗英に続いて西野里咲(ニシノ リサ)があははと笑いながら紗英に同調する。

それを見て、満足そうに笑う紗英。


バカみたいだって思うでしょ。

でもこれが現実なんだよ。


群れに属していないやつが愚痴ったら自己中。

弱音を吐いたらかまってちゃん。

いつも笑顔でいたら八方美人。

悩みを聞いたら偽善者。

注意したら「何様のつもり?」

批判されている人の味方をしたら自己満足。

何か1つでも極めたらキモオタ。

< 2 / 115 >

この作品をシェア

pagetop