泣いて、笑って強くなれ
そういって、いつもいつもそのしわしわの顔をさらにしわしわにして笑ってた。
あの部屋にいけばいつも会えた。
だけどもう……っ
___サーッ
背後の襖が開けられる音がした。
なんとなく、何となくだけど誰が入ってきたかは分かる。
「_____陽向」
「……よく俺だってわかったな」
ほら、やっぱり。
当たってた。
陽向は、私のとなりに黙って座った。
なにも言わなかった。
ただ、私のとなりにいたんだ、彼は。
私にとってそっちのほうがよかった。
正直、今の私は陽向と話したって笑えそうにない。
静かな日だ。
今日は何故だか蝉は静かだ。
ばあちゃんに気をつかっているのだろうか。
風も今日はないに等しい。
お陰で風鈴は鳴かない。
本当に今日は静かな日だ_________。