泣いて、笑って強くなれ

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「ごめんな、渚。結局お前にはつらい思いさせちまった」


そういって、うつむくカズくん。

私はそれに首を横に振った。


「もしかして、優愛に告白したのも?」


私がそう言うと、カズくんは首を縦に動かした。


「お前が、クラスで浮いてるってのはもとから耳に入ってた。

だけど、誰がその元凶かってのはなかなかわかんなくて、優愛ちゃん辺りの連中だって耳にした瞬間、行動に出た」

「……そう、か」

「振られたのは初めてだったよ」


そういったカズくんは少し笑っているようだった。


「優愛は好きなひといるからね。本人は気づいてないみたいだけど」

「ああ、俺も何となくそう思った」

「へぇー、カズくん。そんなに優愛と仲良くなったの?」

「ちげーよ。……何となくわかるもんなんだよ。

俺も片想い歴長いから」

「……え?私、それ初耳なんだけど」


そういうと、カズくんは急に真剣な顔になって私の方をじっと見つめてきた。


「お前なんだけど、その片想いっていうの」


え……。

びっくりして、顔を上げたとき、カズくんは顔を少し赤らめて、だけど笑ってた。


「もう俺、逃げないから」


そういって、優しく頭を撫でてくれるその手に、涙が出そうになった。


「……嘘。え、ドッキリ?」

「今までの告白と一緒にすんなよ。

こればっかりは嘘なんかじゃねぇから」


そういって、カズくんはいつものように笑う。

胸がそれだけでキューっと締め付けられて、いっぱいになった。

嬉し涙って本当にあるんだって知った。


「……私ね、カズくんが私のそばから離れてわかったこともあったの」


私がそう話し始めると、カズくんは、ん?と首をかたげて聞いてくれる。


「1人で何もできなくて、よくここで1人泣いてた。そしたらね、私と同じくらいの女の子が私のところにやってきたの」


ちょうど、このぐらいの季節だったと思う。

今でもあの日のことは鮮明に覚えている______________。


学校を終えた放課後、家路の途中、公園によって、涙をよく私は流していた。

自分って何だろう。

そう考えるようになっていた。

カズくんがそばにいない。

たったそれだけで、世界がモノクロになってしまった。

こんなにも世界が冷たいだなんて、私は知らなかった。

涙が私のほほを伝う。

何で泣いたいるのかさえ、ここまで来たらわからない。

寂しさ。

悲しさ。
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