泣いて、笑って強くなれ

不安。

悔しさ。

嫉妬。

怒り。

いろんなものがごちゃまぜになって、涙となってあふれだす。


「ねえ、あんた何で泣いてるの?」


気づいたら目の前に1人の女の子が立っていた。

私の学校のセーラー服じゃない。

多分、隣町の中学校の制服だ。

年は多分、私と同じくらいだろうか。


「人のこと、じろじろ見すぎ。私の質問に答えてよ」


そういって、その女の子は偉そうに私の前に立つ。


「……わかんないの」

「は?意味わかんない。意味もなく、泣くバカがどこにいんの?」


そういって、女の子は私の隣に遠慮もなしに座った。

その女の子の制服はところどころつぎはぎはある。

よく見ないとわからないようにはなってはいるが、結構この制服はボロボロだ。


「……なに?私の制服がボロボロだっていいたいの?」


女の子はこちらを鋭くにらんでくる。

私はそれに怖気づく。


「あんた、小動物みたいね。大丈夫大丈夫、取って食ったりはしないから」


そういって、女の子は自分の鞄をガサガサとあさって、飴を2つ取り出し、私の前に出した。


「ほら、1つあげるよ」


そういって、女の子はさっきとは一転、にっこりと笑う。

私はその言葉に甘えて、1つの飴を手に取った。

そこで私は気づいてしまった。


ああ、この人も私と同じなんだ。

< 68 / 115 >

この作品をシェア

pagetop