泣いて、笑って強くなれ
不安。
悔しさ。
嫉妬。
怒り。
いろんなものがごちゃまぜになって、涙となってあふれだす。
「ねえ、あんた何で泣いてるの?」
気づいたら目の前に1人の女の子が立っていた。
私の学校のセーラー服じゃない。
多分、隣町の中学校の制服だ。
年は多分、私と同じくらいだろうか。
「人のこと、じろじろ見すぎ。私の質問に答えてよ」
そういって、その女の子は偉そうに私の前に立つ。
「……わかんないの」
「は?意味わかんない。意味もなく、泣くバカがどこにいんの?」
そういって、女の子は私の隣に遠慮もなしに座った。
その女の子の制服はところどころつぎはぎはある。
よく見ないとわからないようにはなってはいるが、結構この制服はボロボロだ。
「……なに?私の制服がボロボロだっていいたいの?」
女の子はこちらを鋭くにらんでくる。
私はそれに怖気づく。
「あんた、小動物みたいね。大丈夫大丈夫、取って食ったりはしないから」
そういって、女の子は自分の鞄をガサガサとあさって、飴を2つ取り出し、私の前に出した。
「ほら、1つあげるよ」
そういって、女の子はさっきとは一転、にっこりと笑う。
私はその言葉に甘えて、1つの飴を手に取った。
そこで私は気づいてしまった。
ああ、この人も私と同じなんだ。