泣いて、笑って強くなれ
あれから数日。
私はまたあの島に立っていた。
真夏の以前とは違って、今後は真冬。
だけど、南にあるこの島は比較的暖かい。
15度くらいといったところだろうか。
厚手の上着は必要ない。
私は高めのハイヒールででこぼこ道をあるいていた。
「ここが優愛の育った島?」
隣の渚が360度見渡しながら私についてくる。
本当は1人でよかったのだが、私のお母さんがよかったら渚ちゃんもなんていって、2人分のチケットを取っていたらしい。
渚は喜んで即答でイエスといったそう。
「渚、おいてくよ」
私がそういうと、渚は速足で私についてくるのがわかった。
「ふふっ、なんかおかしいね」
後ろで渚が笑うのが聞こえた。
「何が?」
「なんか、今の優愛かっこいい」
「……以前の私は?」
「んー、普通の女子高生ってかんじ」
「で、今の私は?」
「すっごく頼りになるお姉さんみたいな?」
「……そう」
私はそういって気にせずに前に進む。
「だけど、やっぱり優愛は優愛だよね」
「……」
「根っこの部分は何も変わっちゃいない」
「……私の根っこって何?」
「お人好しで、優しくないふりして実はすっごく優しいとこ」