泣いて、笑って強くなれ
私は小さくそういって、中に入った。
広い玄関に入ってすぐさま扉を閉める。
家の中はなんだかひんやりとしていて、落ち着いた。
このばあちゃんの家独特のにおい。
昔すっごく好きだった気がする。
懐かしい。
今でも多分だけど、変わってないや。
一先ず私は靴を脱いで、家の中に入る。
ぎっくり腰ってことはきっとばあちゃんは寝たきりなんだろう。
まず、その寝たきりのばあちゃんを探さないとだよね。
そう思って、私は荷物は玄関に置いたまま、ばあちゃんを探すために家の中を歩き回る。
そのうろ覚えの記憶で。
だけど、ばあちゃんの家は思ってたよりも広くて……
「まじどこ?」
結構大変。
平屋なのに、なんでこんなに部屋数多いのっ!
昔の家ってみんなこうなの!?
階段登り降りするよりはいいけどさぁ……
これはしらみつぶしに開けていくしかないのか……
私はそう思いながら入り口側の扉から順に開けて、ばあちゃんを探し始めた。
そしてついに……
____ゴトっ!
隣の部屋から何か音がした。
ああ、そこか。
私は、急いでその部屋の扉を思いっきり開けた。
「ばあちゃん。優愛だけ……え!?」
そこにいたのは、ばあちゃんじゃなくて……
「お前、誰?」
男!?
しかも、上半身裸っ!?