泣いて、笑って強くなれ
2人は知り合いなのだろうか。
いや、今はそんなことはどうでもいい。
先に言うべきことはたくさんある。
まずは……
「「ごめんっ!」」
え……?
私と悠里の声が重なった。
私は驚いて頭を上げた。
向こうも同じようにする。
「なんで、優愛が謝るの?」
先に口を開いたのは向こうだ。
「それ、私のセリフ。なんで、悠里が謝るの?」
悠里は何も悪くないのに。
悪いのは私。
勝手に記憶からあなたを消してしまった私なのに。
「だって、優愛が苦しんでるの気づいてあげられなかった。ごめんね」
そういって、悠里はそのきれいな顔に一滴の涙を流した。
悠里。
あなたもお母さんと同じことを言うんだね。
だけど、そんなのわかるわけないよ。
わかれというほうが難しい。
自分の想いは目に見えないもの。
だから人は言葉を話せて文字もかける。
人に何かを伝えるには、それらを使わなきゃいけない。
私はあの時は使わなかった。
あの時の私は多分伝え方もわかっていなかった。
それだけのことなのに。
だから___
「悠里。あなたは何も悪くないのに」