泣いて、笑って強くなれ





「優愛のおばあちゃん。優愛にそっくりだね」

「そう?」


私と渚はばあちゃんの家に入ってすぐに仏壇のほうに向かった。

あれから半年。

この家には誰も住んでいない。

ほこりまみれになっていてもおかしくはない。

なのにこんなにもきれいなままなのはきっと誰かがこの家を掃除しているから。

誰かのかは大体見当がつく。

私と渚はお参りをしてから、居間へ向かい少しゆっくりすることにした。

縁側のほうのドアを開けて風を通す。

ちょうどいい温度の風が部屋を抜けていく。

私は家から持ってきたちょっとしたお菓子をちゃぶ台の上に置いた。

それを渚は無言でつまみ、口の中に入れた。


「……いいとこだね」


渚が独り言のようにつぶやく。


「うん……。そうだね」

「優愛」

「ん?」

「そんなあせんなくてもいいよ」

「……え?」


私が少し目線を上げると、ちょうど渚と目が合った。


「陽向君と会うの……少し怖いんでしょ?」


渚は私の心が分かるのだろうか。


「……うん。ちょっとね」

「だと思った。……あせんなくていいよ。優愛が会いたいと思ったら、会いに行けばいいと思う。幸い時間はまだたくさんあるから」

「……ごめんね」

「ん?何が?」

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