泣いて、笑って強くなれ
「本当は好きになってはいけなかった」
陽向はきっと私の顔を見るたびに、お母さんのことを思い出してしまう。
「だけど、記憶がない私は、そんなこともわからないまま……っ!」
純粋に惹かれたんだ。
あのキラキラした太陽のような彼に。
私が持っていないものを持っている彼に。
吸い寄せられた。
憧れていた。
陽向といる自分が好きだった。
私が私を好きでいられた。
陽向の前では……。
「……優愛」
「……っ!」
自分の名前を呼ばれて、ふっと顔を上げた。
目の前には渚が立っていた。
「いこう」
「……え?どこに?」
「……陽向君のお母さんのお墓」
「……っ!」
「ちゃんと挨拶してこようよ」
「……」
「こんなに大きくなりましたって。あなたのおかげで、生きてますって。ちゃんと、ちゃんと優愛が自分で伝えに行かなきゃ」
「……私が生きているせいで……。おばさんが死んだ」
嫌だった。
ずっとずっと、嫌だった。
日に日に成長していくこの自分の体が醜くて仕方なかった。
「あの時、私が死んでいたらこんなに大きくなることもなかった」
この体は……私の体のようで……。