【完】笑顔の裏(大幅編集中)
俊父「ハハハ…
そこまで分かっていたのですか…」

乾いた笑いが、胸の奥に響いてきた。

そこにはうっすらと涙が
浮かんでいた。


俊父「いつからだろう。
いつから笑わなくなってしまったんだろう。

理由は、分かっているんです。

私のせいだって………


昔から、敬語を使わないと殴ってきた。


お父様と呼べと、怒鳴ってきた
でも、私も同じ教育をされてきたんです」

あー
そうか
この人は、知らないんだ。



親の優しさと言うものを……

どれほど、その存在が大切で

人生を左右するかを
教えてもらえなかったんだ。

この人も、
だから、息子を同じように育ててしまったんだ。

人は親を見て育つという。

暴力を重ねてきた人を見てきたら、自分も他の人に暴力を振るう。

目の前で、親が浮気をしていたら、自分も将来浮気をする。


親を見て育つ。


それは、いい方向にも悪い方向にもどちらにも行ってしまう。

この人は、悪い方に行ってしまったんだ。

でも、この人の親も悪い方に行ってしまったんだ。

この、悪魔のループを繰り返さないためには、ここで誤解を解き、

池谷がいい方向に持っていくしかないんだ。



その為に、まずは父親から直していくんだ…


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