極甘上司に愛されてます
きちんとイブの過ごし方を考えてくれていて、素敵なお店をサラッと予約しておいてくれる、編集長の優しさには心底惚れ直すなぁ……
そういえばついこの間、担当は私じゃないけれど、クリスマスデートのことを扱う記事が紙面に載ったことがあった。
その時に、“当日のプランが行き当たりばったりで、予約なしに入ろうとしたレストランで入店を断られて気まずかった。クリスマスくらい、お店はちゃんと予約しておいて”――なんて読者からのシビアな投書があったっけ。
……もしかして、編集長はそれを覚えていたのかな?
どちらにしろ、私のために時間を割いて悩んでくれたこと、それが嬉しい。
たとえばレストランじゃなくて、家で過ごすクリスマスを提案されたとしても、それが二人にとって楽しいものであるなら、たいていの女の子は文句を言わない。
逆に、夜景の見える高級レストランを予約しとけばオッケーみたいな単純な考えで、ネット上の予約ボタンをクーポン付とかでクリックしていたとしたら、美味しい食事も夜景の美しさも、その価値は半減。
そこのところを男性は結構勘違いしているんだよね。
……ま、でも、どうやって予約しているのかなんて私たちからは見えないんだけど。
女子のそういうところがメンドクサイ、と言われてしまえばそれまでだけれど、私たちも、クリスマスには好きな人のために、色々と努力をしている。
たとえばそう、今日の私のネイルとか……
留美さんのお店にお邪魔して、グリッター多めのクリスマス仕様ネイルにしてもらったのは、つい先日のこと。
彼女への妙な劣等感も最近は影を潜めて、私も少しは自分に自信が持てるようになった。
いつもは下ろしっぱなしの髪型も、今日は時間を掛けて前髪をふんわり三つ編みにしてきたし、カーデの下のピンク色のワンピは、この寒いのにノースリ。
そして下着も……まあ、細かく言うのは恥ずかしいけれど、気合いだけは、入ってます。