極甘上司に愛されてます
仕事中も一緒にいるのに、何を馬鹿なことを……って、自分でも思う。
でも、それとこれとは違うんだ……
言葉では上手く言えないけれど……確かに私、彼に逢いたかった。
すると、ぽん、と頭に乗せられた大きな手が、私の髪を優しく撫でる。
「……まどろっこしい真似して悪かったな。俺は別に普通に言えばいいと思ってたんだけど、そのことをうっかり話したら奴ら盛り上がっちまって……」
「……なんの話ですか?」
「いや……こっちのこと」
そう言うと、編集長は私から離れて祭壇の方へ長い脚で歩いて行ってしまう。
彼についていくように私もバージンロードを進み、教会の中をキョロキョロと見回す。
そういえば、前に編集長に思わせぶりなリハーサルをされたことがあったなぁ。
あの時は、まさか本当に彼と付き合うことになるなんて、思いもしなかった。
……なんか、あの時の記憶がすでに懐かしいな。
「亜子」
回想の声と重なるようにして、現実の彼に名前を呼ばれて顔を上げる。
祭壇から降りてきた彼は、持ち手にリボンのかかった大きな紙袋を手にしていて、私の前にそれを差し出していた。
「クリスマスプレゼント」
「ありがとうございます……! そうだ、私も……」
紙袋を受け取ってから、バッグの中から出した小さな箱を、私も彼にプレゼントする。
「……サンキュ。開けてもいいか?」
「もちろんです。……気に入ってもらえるか、自信はないんですけど」