極甘上司に愛されてます

「……編しゅう、ちょ………」


それに何より、情けない声を出して涙を堪える私の、彼に対する想いが、あの時とは全く違う。


「……これ……ドッキリ……ですか？」

「……なワケねーだろ。こんなに大がかりなことして、色んな人巻き込んで」

「色んな、ひと、って……？」

「それはあとで教えるから、お前の返事を聞かせろよ。……こう見えて、結構びびってんだぞ？」


……それは、絶対に、うそだ。

泣いてる私を、優しい瞳で見て、頭をそっと撫でて。

そんなことしている余裕があるのは、私の気持ちなんて、聞かなくても分かっている証拠じゃないの？


「亜子」

「……はい」

「お前は若いし、まだ早いって思うなら俺はいつまででも待ってる。……けど、その間、これだけは約束してくれ」


涙の膜が張って、ゆらゆら揺れる視界の先で、編集長がまっすぐ私を見つめている。

その眼差しの熱さに、胸がやけどを負って、たえずじりじりと小さな痛みを覚えていると。



「……他の誰のプロポーズも受けるんじゃねぇぞ。お前は、誰にも渡さない」