極甘上司に愛されてます


――――ドキン!と激しく脈打った心臓。

それと同時に、頭上で鐘の音が鳴り出す。

まるでタイミングをはかったみたいに、このチャペルの鐘が優雅な音を奏でるのは、これで二度目。

私たちのために、神様が時報をちょっとずらしてるんじゃないかと、疑ってしまうくらいだけれど……

そんな奇跡があっても、おかしくないくらいに、私は――――。


「……他の人なんて、目に入りません。
……私、透吾が好き。透吾と、ずっと一緒にいたい」


私たち二人以外、誰もいないチャペルの真ん中。

肩をぎゅっとつかんだ大きな手に引き寄せられ、私と透吾は愛を誓うキスを交わした。

触れた部分が痺れるように熱くなって、頭の芯が蕩けそうになる。


「……お前、今日はウチ泊まれ」

「ふ、ぇ……?」


間の抜けた声を出し、上目遣いに彼を見つめると、耳朶にちゅ、とキスを落とした彼が、甘い吐息とともにささやく。


「……今夜のディナーは亜子のフルコースってこと」


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