極甘上司に愛されてます
それって、これから探してほしい、的な……?
「……たぶん、お前の予想で合ってる」
「そんなぁ………できれば外れていて欲しかったです」
沈んだ声で言って、がっくり肩を落とす私。
自分の予想が見事に的中して、こんなに切なかったことってないよ……
「さて……恋と仕事、どっちを取る?」
甘い時間はすでに諦めたらしい編集長が、無理やりふざけているのかそんなことを聞いてくる。
そんなこと言われても……キャサリン探しは正式な仕事じゃないですって!
それに、なんといってもクリスマスイブですよ?
今日くらいは、恋愛に全精力傾けても、バチは当たらないような……
ううむ、と真剣に悩み始めた私の隣で、編集長の携帯が再び音を立てる。
すぐに応答した彼は、スマホを握っていない方の手で短い黒髪を撫でながら、ホッとしたような声でこう言っていた。
「……なんだよ、人騒がせな。わかった。お前ら、早く寝ろよ? 夜更かししてるとサンタ来ないからな」
……! その会話はもしかして!
編集長が電話を終えるのを見計らって、期待のこもった眼差しで彼を見つめる。
今の電話の相手、あの子たちなんですよね? “人騒がせ”ってことは、もう私たちが出る幕はないってことですよね?
私の切実な表情にぷっと吹き出した彼は、スマホをポケットにしまうと、気を取り直したように言った。