極甘上司に愛されてます
真上にある彫りの深い瞳に問いかけるような視線を向けると、彼は大きな手を私の頬に添えて言う。
「透吾、だ」
「……と、とうご……」
……いつもなら、“まだ慣れねぇのかよ”とか笑いながら、編集長と呼ぶのを許してくれるのにな。
そう思いながらも有無を言わさない彼の迫力に負けて呟くように言うと、彼の顔が間近にゆっくり迫ってくる。
……胸が高鳴りすぎて、破裂しそう。
ぎゅっと目を閉じると、その強張ったまぶたにちゅ、とキスが降りてきた。
うっすらと瞳を開けてみると、漆黒の瞳に射抜かれて、こんなことを言われた。
「……今日は目ぇ閉じるの、ナシな」
「え……? な、なんでですか……?」
私は恥ずかしさから、行為の最中結構目を閉じていることが多い。
だから、それを禁止にされてしまうとすごく困るんですけど……。
瞬きを繰り返して困惑する私に、彼は瞳を細めるとこの上なく色っぽい声で囁いた。
「……ちゃんと俺を見ながら、俺を感じろ」
――どくん、と胸が鳴って、身体の奥が疼くのがわかった。
私が瞳を潤ませてうなずくと、噛みつくようなキスが降りてきた。
さっきまで彼が食べていたチョコレートの香りが鼻腔をくすぐって、なんだか私まで甘いものを食べたような気分。
そんなキスに酔っているうちに、衣服が一枚一枚取り去られていて、寒さをしのぐようにぴたりと合わせた素肌の温度は徐々に上がっていった。
「亜子……」
私を呼ぶ囁き声は低くかすれて、いつも以上に甘くセクシーで。
ドキドキしすぎてときどき目をそらそうとする私を、彼の顔が追いかけてきて、とろけるようなキスを何度もお見舞いされた。