俺様富豪と甘く危険な恋
「別に知られてもかまわない。俺たちは大人なんだ。こそこそ恋愛をするのは俺の流儀じゃない」

「流儀って……」


戸惑っていると蓮はさっさとベッドから降り、栞南を抱き上げる。


「きゃっ!」

「バスルームでお前を堪能させろよな」


耳に響く甘く低い声。

響くバスルームでは声を出さないようにするのが精一杯。

蓮に翻弄された時間が終わると、体力がすべて奪われてしまったようにぐったりして身体が手足を動かすことさえ億劫になる。

バスローブを栞南に羽織らせ部屋に戻りベッドに座らせた蓮は「ちょっと待ってろ」と言ってバスローブ姿で出て行く。

戻ってきた蓮はブラックのジーンズと白いTシャツに着替えて戻ってきた。手に持ちきれないほどの紙袋と共に。アルマーニで買い物したものだ。

蓮はざっと紙袋の中を見て、セロハンに包まれた服を取り出す。オフホワイトの七分丈の袖部分がオーガンジー素材のシースルーになっているワンピースだ。


「この服にはこのパンプスが似合う」


同じオフホワイトの踵が低めのパンプスを床に置く。

栞南は床に置かれた紙袋の数の多さに改めて目を見張る。

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