俺様富豪と甘く危険な恋
「ちゃんと目を見て、手をつないで、歩きたいんです」

「だからブスったれていたのか」

「そ、そういうわけじゃ……」

「サングラスを返してくれ。大切なものなんだ」


手に持っているサングラスが蓮に奪われる。見ていると、胸のポケットにサングラスをおさめられた。


「これで機嫌を直してもらえるよな?」


栞南の後頭部に蓮の手が置かれる。


「だから……そういうんじゃ――」


頭に触れられて胸が暴れ始めた栞南に蓮は、反応を確かめるようなキスを落とすとすぐに離れる。

観光客は周りにいないが、ボディーガードたちがいる。栞南は彼らの見ている前でキスされてびっくりし、思わず周りを見てしまう。すると、ボディーガードたちは慌ててそっぽを向いた。


(恥ずかしい……)


蓮にキスをされてうれしくないわけはないが、こんな風なシチュエーションでされるのは初めての経験だ。

もう栞南の胸のドキドキは最高潮で、蓮から離れないとずっと止まりそうもなかった。

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