俺様富豪と甘く危険な恋
「あ……ごめんなさい。つい興奮しちゃって」


すぐに謝ると蓮がクッと喉の奥で笑う。


「精神年齢は10歳といったところか? 身体は大人の女性だったが」

「っ! なにを言うんですかっ!」


一糸まとわぬ身体を蓮に見られたことを思い出し慌てる。

顔を赤くさせ眉を下げて戸惑う表情の栞南。


「その顔もかわいい」


(そ、その顔って……自分がどんな顔をしているのかわからないし)


「戸惑うようなことをさらっと言わないでください」


栞南はぷいっとそっぽを向き、目に入った長寿橋を渡ろうと足を向けた。


「この橋は渡ると三日寿命が延びるんですよね。左から右に渡って引き返しちゃダメで」

「よく知ってるな」

「部屋にいる間暇つぶしにガイドブックを見ていたら自然と覚えちゃいました」


十数段の階段を栞南は慎重に登って下る。蓮も一緒に付いてきて来てくれている。

ボディーガードたちはすぐ近くで辺りに注意していた。


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