俺様富豪と甘く危険な恋
蓮のバスローブでこっそり自分の部屋に戻ろうとした栞南はリビングにいつもいるボディーガードたちがいないことに気づく。

そういえば蓮が少し前に広東語で電話をしていたのを思い出す。

あの時、人ばらいをしたのかもしれない。

大事にされている気がして、どんどん蓮を好きになっていく。




いつものブラウスとジーンズに着替えてリビングに行くと蓮の姿がない。

蓮の寝室のドアが開いていて栞南は近づいた。


「あのサングラスを失くしてしまったんですか？」


ダニエルの声が寝室から聞こえてきて、栞南は立ち止まる。


「ああ」

「あれはリリアナさんからのプレゼントで――」

「ダニエル、もう亡くなった彼女のことはいい」


蓮はこの話を終わらせた。ふたりの会話を聞いていた栞南は茫然となった。


（リリアナって……誰？　その人が亡くなったのならあのサングラスはとても大事なもので……朝日奈さんも大切なものだって……）


自分がサングラスを取らなければ無くならなかったのにと栞南は後悔していた。

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