俺様富豪と甘く危険な恋
今日もお天気が良く、気持ちの良い日差しが窓から差し込んでいた。


「事件のことだが、裏にいる人物がわかったんだ」

「よかった……もうすぐ解決しますね？」

「安心するのはまだ早いぞ。名前はジャスティン・ラウ。イギリス系の中国人だ。香港に入国した記録はないが、偽造パスポートで入ってきているかもしれない。他にも余罪があり中国と香港で指名手配中だから大っぴらなことはできないとは思うが」


蓮はコーヒーを一口飲むと、離れたところのソファにいるボディーガードの方へ顔を向ける。


「彼らにも気を引き締めるように言っておいた」


栞南は小さく頷く。


（気が緩んでいたのは私の方だよ……）


食事が終わると、蓮とダニエルはボディーガードをひとり連れて仕事に出かけた。

ここに残っているのはトニーと３人の男たち。

トニーは信頼しているが、昨日のことで他の男たちが怖い。


「トニーさん、部屋で休んでいます」

「はい。安心してお休みください」


トニーは栞南の気持ちがわかっているのか、いつもはいかつい顔を緩ませた。




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