俺様富豪と甘く危険な恋
「おいっ!」
豹のごとく素早い動きで追いついた男は栞南の腕を掴む。
「いやっ! 離してっ! 私なんか誘拐してもお金なんて入りませんよ!」
身に覚えがないから、身代金目的の誘拐なのかもしれない。
右手首を強く掴まれても、栞南はひるむことなく無我夢中で身体を動かした。長身の男は暴れる栞南の身体をほとんどその場から動かず抑え込む。
体格差は歴然としており、栞南が男に勝てるわけない。それでも身の危険に栞南は気が狂ったように暴れた。
「離してっ!」
「落ち着け! お前をどうこうしようと思っているわけじゃない」
男の言葉に聞く耳がもてず、乱暴に空いている左手を振り上げる。その手は男の顎にヒットし「うっ!」と低い声が漏れた。
「大人しくしろ!」
ドスの利いた声でビシッと言われた途端、栞南は目の前が真っ暗になりグラッと揺れた。
「あっ……」
突然の眩暈に左手を額に置いて俯き堪えていると、掴まれていた右手が離された。
豹のごとく素早い動きで追いついた男は栞南の腕を掴む。
「いやっ! 離してっ! 私なんか誘拐してもお金なんて入りませんよ!」
身に覚えがないから、身代金目的の誘拐なのかもしれない。
右手首を強く掴まれても、栞南はひるむことなく無我夢中で身体を動かした。長身の男は暴れる栞南の身体をほとんどその場から動かず抑え込む。
体格差は歴然としており、栞南が男に勝てるわけない。それでも身の危険に栞南は気が狂ったように暴れた。
「離してっ!」
「落ち着け! お前をどうこうしようと思っているわけじゃない」
男の言葉に聞く耳がもてず、乱暴に空いている左手を振り上げる。その手は男の顎にヒットし「うっ!」と低い声が漏れた。
「大人しくしろ!」
ドスの利いた声でビシッと言われた途端、栞南は目の前が真っ暗になりグラッと揺れた。
「あっ……」
突然の眩暈に左手を額に置いて俯き堪えていると、掴まれていた右手が離された。