俺様富豪と甘く危険な恋
美味しそうに食べてくれる蓮だが、いつもより口に運ぶ量が少ない気がする。
(やっぱり口に合わないのかな……)
蓮が箸を置いた。
「栞南、すまない。少し頭痛がするんだ。残りは明日の朝に食べる」
「ずっと痛かったんですね? 顔色が悪いし」
思わず手を蓮の額に伸ばした栞南だが、すっと避けられる。避けられると思っていなかった栞南は唖然となった。
蓮は取り繕うように栞南の頬に軽く指先で触れる。
「大丈夫だよ。休ませてもらうよ。ダニエル、来てくれないか」
平静を装った蓮は寝室に足を向ける。そんな蓮の後姿を栞南は悲しそうな瞳で見送った。
「ミズノさん、ここは私が片付けますのでどうぞお休みください」
蓮の部屋のドアが閉まるのを、茫然と見ていた栞南の背後からダニエルは言う。
栞南の脇を通り抜け、ダニエルも蓮の部屋へ入って行った。
寝室に入った蓮はスーツを着たままクイーンサイズのベッドに倒れるように横になる。
その途端、脇腹の傷がものすごい痛みを訴える。鋭利なナイフは切られた瞬間より、あとの方が痛みは強烈だ。
(やっぱり口に合わないのかな……)
蓮が箸を置いた。
「栞南、すまない。少し頭痛がするんだ。残りは明日の朝に食べる」
「ずっと痛かったんですね? 顔色が悪いし」
思わず手を蓮の額に伸ばした栞南だが、すっと避けられる。避けられると思っていなかった栞南は唖然となった。
蓮は取り繕うように栞南の頬に軽く指先で触れる。
「大丈夫だよ。休ませてもらうよ。ダニエル、来てくれないか」
平静を装った蓮は寝室に足を向ける。そんな蓮の後姿を栞南は悲しそうな瞳で見送った。
「ミズノさん、ここは私が片付けますのでどうぞお休みください」
蓮の部屋のドアが閉まるのを、茫然と見ていた栞南の背後からダニエルは言う。
栞南の脇を通り抜け、ダニエルも蓮の部屋へ入って行った。
寝室に入った蓮はスーツを着たままクイーンサイズのベッドに倒れるように横になる。
その途端、脇腹の傷がものすごい痛みを訴える。鋭利なナイフは切られた瞬間より、あとの方が痛みは強烈だ。