俺様富豪と甘く危険な恋
自室に戻った栞南はあふれる涙を止められなかった。
(私に心を許してくれない……愛されているなんて思い違いだったんだ……まだ出会って2週間、こんなにも好きになるなんてことがあるんだと自分でも驚いていたけれど、朝日奈さんは違うんだ……)
悲しくてあふれる涙を止められないでいると、静かなノックの後にダニエルが入ってきた。
返事をしないのにダニエルが部屋に入ってきて呆気にとられる。
「失礼します」
「出て行ってください」
我に返ると涙を拭きながら伝える。
「レンさまはあなたに心配をかけたくないがために隠したんです」
「私に心配をかけたくないためだなんて、そんなの少しもうれしくありません。早く朝日奈さんのところへ戻って――」
「ダニエル、出て行ってくれないか」
栞南の言葉をさえぎったのは蓮だった。シルクの紺色のパジャマ姿のまま部屋に入ってきた。
「朝日奈さんっ、部屋に戻ってください」
「嫌だね」
ダニエルは入ってきたときと同様静かに出て行った。
ドアがピタリと閉まる。
(私に心を許してくれない……愛されているなんて思い違いだったんだ……まだ出会って2週間、こんなにも好きになるなんてことがあるんだと自分でも驚いていたけれど、朝日奈さんは違うんだ……)
悲しくてあふれる涙を止められないでいると、静かなノックの後にダニエルが入ってきた。
返事をしないのにダニエルが部屋に入ってきて呆気にとられる。
「失礼します」
「出て行ってください」
我に返ると涙を拭きながら伝える。
「レンさまはあなたに心配をかけたくないがために隠したんです」
「私に心配をかけたくないためだなんて、そんなの少しもうれしくありません。早く朝日奈さんのところへ戻って――」
「ダニエル、出て行ってくれないか」
栞南の言葉をさえぎったのは蓮だった。シルクの紺色のパジャマ姿のまま部屋に入ってきた。
「朝日奈さんっ、部屋に戻ってください」
「嫌だね」
ダニエルは入ってきたときと同様静かに出て行った。
ドアがピタリと閉まる。