俺様富豪と甘く危険な恋
「俺が好きなんだろう？」

「だって一緒のベッドで寝て傷口にぶつかったりでもしたら大変ですから。早く立ってください」


栞南はベッドから降りて蓮に手を伸ばす。蓮は仕方ないと手を差し出し、栞南の手を握る。

栞南は蓮を寝室まで送り、ベッドに入るのを見届ける。

ベッドに横になる時、蓮はほんの少し顔をゆがめたのを見て栞南の心も痛む。


「おやすみなさい」

「おやすみ。しっかり寝ろよ」


栞南は「はい」と返事をして微笑むと、蓮の寝室を出た。



翌日、７時前に栞南はダイニングへ行った。ダイニングテーブルには蓮の姿がない。


（やっぱり今日は無理なのかも）


栞南は蓮の寝室に向かおうとすると、ダニエルがキッチンから出てきた。


「おはようございます。レンさまはすぐに来られます」

「あ……おはようございます」


昨晩、ダニエルに変なところを見られた手前、栞南はものすごく恥ずかしい。

そこへ蓮が現れた。いつものように一分の隙も無くスーツを着ている。


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