俺様富豪と甘く危険な恋
「栞南、起きていたのか。おはよう」
「それはこっちのセリフです。もう大丈夫なんですか? 熱は? 痛みは?」
普段と変わらない表情は無理をしているのではないかと、栞南は蓮の顔をよく見る。
「熱は下がったし、痛みもそれほどじゃなくなった」
「でも、お仕事に行くなんて……」
「デスクワークだけだ。昨日よりは数十倍は良くなったよ」
「……じゃあ、無理しないでくださいね」
(あれだけ昨晩は苦しんでいたのだから、それほど良くなったとは思えないけれど、私には仕事に行かないでなんて止められない……)
栞南は心配そうな瞳を蓮に向けて席に着いた。
「ぁ……きれいなバラ……」
テーブルの真ん中にたくさんの真紅のバラが陶磁器の花瓶に活けられている。
「昨晩、レンさまがあなたにと買ったのですが、襲われたものですから花束はプレゼント用には出来なくなりまして」
昨日栞南が作った味噌汁を運んできたダニエルが栞南に教える。
「それはこっちのセリフです。もう大丈夫なんですか? 熱は? 痛みは?」
普段と変わらない表情は無理をしているのではないかと、栞南は蓮の顔をよく見る。
「熱は下がったし、痛みもそれほどじゃなくなった」
「でも、お仕事に行くなんて……」
「デスクワークだけだ。昨日よりは数十倍は良くなったよ」
「……じゃあ、無理しないでくださいね」
(あれだけ昨晩は苦しんでいたのだから、それほど良くなったとは思えないけれど、私には仕事に行かないでなんて止められない……)
栞南は心配そうな瞳を蓮に向けて席に着いた。
「ぁ……きれいなバラ……」
テーブルの真ん中にたくさんの真紅のバラが陶磁器の花瓶に活けられている。
「昨晩、レンさまがあなたにと買ったのですが、襲われたものですから花束はプレゼント用には出来なくなりまして」
昨日栞南が作った味噌汁を運んできたダニエルが栞南に教える。