俺様富豪と甘く危険な恋
「ジャスティン・ラウが深圳(シンセン)で捕まりました」

「捕まった? それは本当か?」

「ええ。たった今香港警察のチェン副長官から連絡がありました。取り急ぎ伝えられ、詳しいことはまた後ほどとのことです」


栞南はつき物がポロッと取れた感覚だった。


(ジャスティン・ラウが捕まった……これで私は日本……へ……)


ホッとはしたが、本当に蓮とお別れだと思うと足に力がなくなる感覚に陥る。


(ベッドに座っていてよかった……)


「朝日奈さん……これで日本へ帰れます……」


本当は日本へ帰りたいのではない。蓮のそばにずっと居たい。栞南は自分の気持ちを悟ったが、口では正反対のことを言っていた。

信じていた元カレに騙されて男は本当に誠実なのだろうかと、臆病になっていた。

ましてや蓮の数多くの女性遍歴をネットで見てきた。すべてが本当の恋人だったか、それはわからないが、自分よりはるかにキレイな女性だ。

サングラスを贈った女性、リリアナ。今は亡くなっているということだが、サングラスを大事にしていたようで気になる人だ。

そして先ほど花を贈ってきたソフィアも。

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