俺様富豪と甘く危険な恋
喉元にひんやりした金属が触れる。蓮が栞南の首にネックレスをつけようとしていたのだ。


「これ……?」

「俺たちを引き合わせたブルーダイヤのネックレスだ。あれよりはかなり小さい石だが」


オーバル・ブリリアント・カットのブルーダイヤ。


「ブルーダイヤ……」

「記念になるものを贈りたかったんだ。俺は宝石商だしな」


自分たちの出会いを特別なものだと思ってくれている蓮の気持ちがうれしかった。


「レン、ありがとうございます。大切にしますね」


喉もとで揺れるペンダントヘッドに指先が行く。


「ずっと身に着けていてくれ」

「はいっ」


蓮は微笑むと栞南を胸に抱き込むと横になる。


それからしばらく言葉にならない時が流れた。


「……眠れそうにないな」


ぽつり言った蓮は突然起き上がり、栞南を抱き上げた。


「きゃっ!」


歩き出す蓮の首に慌ててつかまる。向かう先はバスルームだった。

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