俺様富豪と甘く危険な恋

日常生活

「当機はまもなく羽田空港に到着いたします――」


少し前に目を覚ましぼんやりしていた頭に機内アナウンスが聞こえてきた。


（日本へ着いちゃうんだ……レンは……今頃空の上……）


「しっかりしなきゃ！」


メールや電話だってある。１週間たてば会いに来てくれるのだと思うことで元気が少しずつ復活してきた栞南だった。



羽田空港の到着ロビーでは「水野栞南様」とボードをかかげた男性が待っていた。

ダニエルの手配が完璧のおかげで、自宅まで快適に戻ってこられた。

江東区のマンションはオーストラリアへワーキングホリデーに行っている優香と一緒に住むために２部屋あるところに住んでいる。

ワーキングホリデーに行ってしまうと知ったとき引っ越しを考えたが、優香の荷物があるし、慣れた場所になったのでそのまま住んでいる。

優香はワーキングホリデーが終わったら必ず戻ってくると言っていた。

家賃も今まで通り払ってもらっているから、引っ越しをしない方が楽でもあった。

蓮の住む豪華なタワーマンションに比べて、貧相なエントランスにハイヤーが停まる。



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