俺様富豪と甘く危険な恋
「香港で急性盲腸だったんだって?」
「う、うん……」
「外国の病院で心細かっただろう? もう身体は大丈夫なのか?」
そこへエレベーターが到着し、乗り込むとまるで満員電車のように人が乗り込み奥へ押される。
あろうことか栞南は孝太郎と向き合う形になってしまう。
エレベーターには定員というものがあるから身体がぴったり密着することはないが、居心地が悪くて早く5階のオフィスに着いてほしいと彼の肩を見つめながら思う。
「水野さん、まだ具合良くないんじゃないの?」
黙っていたせいで誤解しているようだった。
栞南をフッたときの態度は冷たいものだったのに、今日は妙に優しい。
「いいえ。大丈夫です」
栞南は孝太郎の態度に戸惑いながら返事をする。
そこで5階フロアに到着し、息苦しかったエレベーターから降り、ほっと一息つくとオフィスに向かった。
「おはようございます」
食品管理部のフロアには課長と神田りさ子という2歳年上の先輩がすでに出勤していた。
「ああ、水野君おはよう。旅先で盲腸だなんて大変な目にあったね」
電話で事情を話した課長は、違うことをまだ聞いていないようだ。
社長どまりになっているのだろうかと、課長にあいまいな笑みを浮かべて考える。
「う、うん……」
「外国の病院で心細かっただろう? もう身体は大丈夫なのか?」
そこへエレベーターが到着し、乗り込むとまるで満員電車のように人が乗り込み奥へ押される。
あろうことか栞南は孝太郎と向き合う形になってしまう。
エレベーターには定員というものがあるから身体がぴったり密着することはないが、居心地が悪くて早く5階のオフィスに着いてほしいと彼の肩を見つめながら思う。
「水野さん、まだ具合良くないんじゃないの?」
黙っていたせいで誤解しているようだった。
栞南をフッたときの態度は冷たいものだったのに、今日は妙に優しい。
「いいえ。大丈夫です」
栞南は孝太郎の態度に戸惑いながら返事をする。
そこで5階フロアに到着し、息苦しかったエレベーターから降り、ほっと一息つくとオフィスに向かった。
「おはようございます」
食品管理部のフロアには課長と神田りさ子という2歳年上の先輩がすでに出勤していた。
「ああ、水野君おはよう。旅先で盲腸だなんて大変な目にあったね」
電話で事情を話した課長は、違うことをまだ聞いていないようだ。
社長どまりになっているのだろうかと、課長にあいまいな笑みを浮かべて考える。