俺様富豪と甘く危険な恋
「ううん。なんでもない」
「携帯見てため息なんて、なんかあやしーな。香港で彼氏できた?」
美羽の鋭いつっこみに栞南の心臓がドキッと跳ねる。ごまかすようにお茶の入った湯呑に手を伸ばす。
「出来るわけないじゃん」
「そうだよね~ 早く彼氏作りなよ。引地さんのことなんていつまでも引きずっちゃダメだからね」
「引きずってなんていないよ。もう吹っ切れたから」
二股をかけていたオトコのことを話題にしたくなかった。
そこへ銀むつ煮つけ定食が運ばれてきて会話が中断して栞南はホッとした。
「水野さん、明日冨士田食品の生産状況を確認してくれないか。このファイルの全品目ね」
課長が書類ファイルをデスクの上に置くと、返事を聞かないまま戻っていく。
「冨士田食品さん、納品がルーズなのよね。さてと、帰りましょう。月曜から残業したくないわ」
前に座る神田美和はデスクの上に散らばったペンなどを片付け始める。
栞南がいない間、しっかりサポートされていて仕事がたまっていたわけではないが、就業時間になると目がしばしばして疲れを感じていた。
いつの間にか就業時間が過ぎていて栞南はイスの背に身体を預けた。
「携帯見てため息なんて、なんかあやしーな。香港で彼氏できた?」
美羽の鋭いつっこみに栞南の心臓がドキッと跳ねる。ごまかすようにお茶の入った湯呑に手を伸ばす。
「出来るわけないじゃん」
「そうだよね~ 早く彼氏作りなよ。引地さんのことなんていつまでも引きずっちゃダメだからね」
「引きずってなんていないよ。もう吹っ切れたから」
二股をかけていたオトコのことを話題にしたくなかった。
そこへ銀むつ煮つけ定食が運ばれてきて会話が中断して栞南はホッとした。
「水野さん、明日冨士田食品の生産状況を確認してくれないか。このファイルの全品目ね」
課長が書類ファイルをデスクの上に置くと、返事を聞かないまま戻っていく。
「冨士田食品さん、納品がルーズなのよね。さてと、帰りましょう。月曜から残業したくないわ」
前に座る神田美和はデスクの上に散らばったペンなどを片付け始める。
栞南がいない間、しっかりサポートされていて仕事がたまっていたわけではないが、就業時間になると目がしばしばして疲れを感じていた。
いつの間にか就業時間が過ぎていて栞南はイスの背に身体を預けた。