俺様富豪と甘く危険な恋
「秘密の関係って言ったら、不倫だろ。それも相手は高価なネックレスを買ってあげられるリッチな男」


今田主任の視線が呆気にとられる栞南の喉元を見てにやりと笑う。

林未来も今田主任に習って、栞南の首の辺りをまじまじと見る。

栞南はハッとして自分の喉もとに手を伸ばした。

蓮からプレゼントされたブルーダイヤのネックレスだ。


「これは自分で買ったんです」


彼氏がいると言ってしまえば良かったのだろうが、余計な詮索をされたくなくて言っていた。


「ステキなサファイアね」


林未来は栞南と同じでブルーダイヤをサファイアだと勘違いしている。

それはそれでいいと思い、栞南はあいまいに頷いた。


「本当に自分で買ったのか？　雰囲気も大人っぽくなった気がするから彼が出来たんだと思ったよ」

「本当です。ボーナスで自分のご褒美にって、買ったんですよ。アクセサリーが欲しくなっちゃって」


そう言い訳しながらも、隣に座る孝太郎に彼氏からもらったと聞こえるように話せばよかったかなと、頭の片隅で考えてしまった。

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