俺様富豪と甘く危険な恋

親友の帰国

翌日目覚ましの音で目が覚めた瞬間、ハッと身体を起こし枕もとのスマホを見る。昨晩、スマホを見ながら寝落ちしてしまっていたようだ。

スマホの画面を見てから、栞南はガクッと肩を落とす。蓮からの着信やメールはなかった。


「きっと忙しいんだよね」


そう理由づけるが、さらに数日が経ち、さすがに土曜日になると、蓮からの連絡がないのがどんどん心配になっていく。

明日は蓮が約束してくれた1週間の日。1週間で会いに行くと言っていた蓮。

突然現れてびっくりさせようとしているのか……栞南は不安にかられながらも約束を待ち望んでいた。

そして待ち望んでいた日曜日、蓮からなんの連絡もない。朝起きた時からスマホとにらめっこだ。

あれから何度蓮のスマホに伝言を残しただろうか。


（私とのことは遊びだったのかな……）


そう栞南は思い始めていた。しかし、心の片隅で蓮を信じる自分もいる。

何かあって連絡が出来ない事態に陥っているのかもと思うと、不安になり部屋でじっとしていられなくなる。

暗い部屋にスマホの灯りがポッと点く。栞南がスマホで時間を確認した灯り。時刻は１７時を過ぎていた。

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