俺様富豪と甘く危険な恋
6カラットの希少性高いブルーダイヤモンドはなかなか市場に出ない。

金額もイギリスポンドで書かれてあるが、通貨に詳しくない栞南にはどのくらい高価なものなのかまったくわからない。

蓮は日本円に換算すると、7億もの高額を支払っていた。


(どっちが正しいの?)


彩たちは乱暴なことをしなかった。ただ、これを友人に渡してほしいと言っただけ。だが、蓮は意識を失わせて拉致までしたのだ。


栞南はまだ判断が出来なかった。


「こんなのいくらでも偽造しようと思えばできます! 拉致して日本へ返さないやり方をしたあなたなんて信用できない。あの場で説明してくれればよかったのに!」


あの時の恐怖といったら、今考えても震えるくらい恐ろしかった。


「そのことは謝る。だが、奴らにお前と接触したことを知られたくなかったんだ」

「彼らがそれを盗んだなら警察に通報すれば良かったんですっ」

「たしかにその考えもありだが、そうなるとお前は空港で密輸にかかわった罪で逮捕されるんだぞ?」


眉根を寄せて睨む栞南を蓮はずいと顔を近づける。

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