俺様富豪と甘く危険な恋
(切れちゃった……タイミング悪いよ……)
電車を降りると改札へ向かう溢れそうな人たちで自然と歩かされてしまう。ようやく通行の波にそれて壁際で足を止めることが出来て、栞南はすぐにダニエルに電話をかける。
2コールでダニエルが電話に出た。
「栞南です」
『はい』
「今からバスに乗って行きますから!」
栞南はそれだけ伝えると、電話を切った。
電話を切られたダニエルは微かに笑みを漏らす。その微妙な笑い声がソファに座る蓮に聞こえたようだ。
「なにがおかしい? 今の電話は? まさか!?」
ダニエルが日本語で「はい」と出る相手は日本人。日本人と言えば栞南しかいない。
蓮はダニエルがいる方へ鋭い視線を向ける。
「はい。ミズノさんです。これから来られるそうですよ」
「お前っ! なにを言ってるんだ!?」
昨晩、二度と会わないつもりで別れ話を伝えたのだ。
(なぜ栞南がここへ来る? 別れ話をしたというのに……)
だがすぐに思い直す。栞南だったら、理由を聞きにくるはずだと。
蓮の顔が苦痛にゆがむ。
電車を降りると改札へ向かう溢れそうな人たちで自然と歩かされてしまう。ようやく通行の波にそれて壁際で足を止めることが出来て、栞南はすぐにダニエルに電話をかける。
2コールでダニエルが電話に出た。
「栞南です」
『はい』
「今からバスに乗って行きますから!」
栞南はそれだけ伝えると、電話を切った。
電話を切られたダニエルは微かに笑みを漏らす。その微妙な笑い声がソファに座る蓮に聞こえたようだ。
「なにがおかしい? 今の電話は? まさか!?」
ダニエルが日本語で「はい」と出る相手は日本人。日本人と言えば栞南しかいない。
蓮はダニエルがいる方へ鋭い視線を向ける。
「はい。ミズノさんです。これから来られるそうですよ」
「お前っ! なにを言ってるんだ!?」
昨晩、二度と会わないつもりで別れ話を伝えたのだ。
(なぜ栞南がここへ来る? 別れ話をしたというのに……)
だがすぐに思い直す。栞南だったら、理由を聞きにくるはずだと。
蓮の顔が苦痛にゆがむ。